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- はじめに
人とうまくつきあってゆく技能のことをソーシャルスキルといいます。発達上の問題を抱える子どもはソーシャルスキルの獲得が困難なことがよくあります。なぜソーシャルスキルが獲得されにくいのかを説明する考え方として“心の理論”障害説が注目されています。
- “心の理論”とは何か?
日常生活で私たちは相手の心を読んだり相手の立場になって考えたりしながら人と関わりあっています。それは心についての常識に基づく判断によっています。私たちが持っているこのような心に関する常識のことを“心の理論”といいます。
- “心の理論”と誤信念課題
ある人が“心の理論”を持っているかどうかは、特定のテスト課題によってある程度評価することができます。「誤信念課題」と呼ばれるテスト課題がその代表的なものです。誤信念課題は“心の理論”のリトマス試験紙としてよく使われています。
- “心の理論”の発達
発達に特別な問題がない場合、簡単な誤信念課題が解けるようになるのはおよそ4歳以降とされています。“心の理論”は言葉などと同じように子どもの成長とともに獲得されてゆくものです。
- “心の理論”と自閉症
自閉症や自閉症に近い発達障害のある人たちは知的発達に特別な遅れがない場合でも“心の理論”課題が解けないことが少なくありません。“心の理論”課題は自閉症の人たちが抱えている困難が現れやすい課題であるといわれています。
- “心の理論”の指導と支援
“心の理論”を指導・支援する方法が考案されています。“心の理論”の獲得に向け基礎的なことから少しずつ系統的にトレーニングする方法や、対人的な問題が起こる場面で心の読み取りの困難をサポートすることで直接問題解決を図る方法などです。
- おわりに
“心の理論”課題はもともと人形劇などで行われてきましたが、私たちはこれをコンピュータによるアニメーション課題にしました。軽度発達障害を中心とする特別なニーズを持つ子どもたちにとってコンピュータは有効な教育資源になると考えられています。
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